メイドのサキをディナーに誘ったのだが、断られてしまった。
「心配ないさ。少しぐらいサボってもいいだろう?」
「そ、そういうわけにはいきませんよ。メイド長とか、領主様に怒られてしまいます」
サキは顔を青くしながら言う。
どうやら、メイドの上司たる責任者はかなり怖い相手のようである。
だが、そんなものは関係ない。
「大丈夫だって。俺が許す。だから安心して俺と夕食を……」
「いえ、ですから……」
「領主がなんだ。文句を言ってきたら、俺がぶっ飛ばしてやるよ。なぁ、いいだろ?」
俺はそう言いつつ、サキを抱きしめる。
イケメンスマイルが通じないなら、今度は物理的に迫ってみる作戦だ。
胸板に押し付けたサキの顔は、真っ赤になっていた。
「あわわわわわ……。す、凄い汗の匂い……。筋肉も……。こ、こんなの初めて……」
恥ずかしさと緊張が入り混じったような表情。
よし、これは脈ありだ!
このまま一気に押し切ってしまうぞ!!
「なぁ、頼むよ。一緒に食べようぜ。そうだ、出ていくのがダメなら、出前を取ってここで食べるのはどうだ?」
ここは領主邸の応接室。
チンピラたちと共に筋トレをしていたので汗臭いが、換気をすれば問題ない。
広さも十分だし、テーブルやソファもある。
「あ、あの、その……えっと、じゃ、じゃじゃじゃじゃじゃじゃあ、少しだけ……。少しだけですよ!!」
サキは目をぐるんぐるんと回しながらも、なんとか了承してくれた。
よしよし。
やはり、飯はいい女と食べるに限る。
最初の村では、フィーナといっしょに食べていた。
この街に来てからはエミリーとたまに食事をしていた。
最近では、奴隷のネネコもいる。
「よぉし。なら俺は、買い出しに行ってくる。サキは、仕事を一段落させておいてくれ」
文句を言われれば、俺が出てボコボコにしてやるつもりだ。
しかし、無理のない範囲で仕事をちゃんとやっておけるなら、それに越したことはない。
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