ゴブリンの巣の前に到着した。
ザコの相手は三馬鹿にまかせて、俺は1人で巣の中に入る。
すぐにゴブリンたちが襲ってきた。
俺はその全てを返り討ちにしていく。
「「「ギイィッ……」」」
あっという間にゴブリンたちを全滅させた俺は、ゴブリンたちのボスがいると思われる最奥部へと向かった。
そして……
「こいつが……ゴブリンキングか」
最奥部には巨大な体躯をした魔物がいた。
体長4メートル以上はあるだろうか。
「お前がこの群れの主か?」
俺はそう問いかける。
だが、ゴブリンが人の言葉を理解するはずもない。
「やはり答えないか。まあいい。戦えばわかることだ」
俺はそう言って、拳を構える。
ゴブリンキングもまた、俺に向かって突撃してきた。
ブンッ!!
ドガアァンッ!!!
奴の放ったパンチによって、洞窟の壁が崩れ落ちる。
……なかなかやるではないか。
ただ大きいだけの雑魚ではないらしい。
「だが、この程度のパワーで王を名乗るとは片腹痛いな」
俺はゴブリンキングの攻撃を避けつつ、カウンター気味に蹴りを放つ。
「グギャアッ!」
ゴブリンキングは悲鳴を上げながらも、俺への攻撃を止めない。
今度は剣による攻撃を放ってくる。
「ふむ。剣術まで使えるのか」
俺はゴブリンキングの攻撃を、全て避けながら呟く。
「パワーはあるが、技量はその辺の冒険者と同じレベルだな」
俺は一瞬で間合いを詰めると、ゴブリンキングの腹に掌底を放った。
「グギャアアァッ!!!」
ゴブリンキングが断末魔の叫び声を上げる。
今の一撃だけで、内臓がいくつか破裂したようだ。
「もう終わりか? つまらんな」
俺はそう吐き捨てた。
「…………」
ゴブリンキングはピクピクと痙攣している。
そして、しばらくして動かなくなった。
どうやら、死んだみたいだな。
「さて、次はどいつにしようか」
俺が次の獲物を探しているとき……。
ドゴオーン!!
外から轟音が聞こえてきた。
「何事だ?」
まさか、三馬鹿が死んだりしないだろうな?
あいつらも最低限は戦える。
ただのゴブリンなんぞには負けないはずだ。
しかし、不測の事態で怪我を負う可能性は十分にある。
少し様子を見に行ってみることにするか。
俺は洞窟の外に向かう。
すると、三馬鹿が地面に倒れ伏していた。
「なんだこれは」
俺は目を疑った。
三馬鹿が倒れているだけではなく、ゴブリンの死体が山のように積み重なっているのだ。
一体、どういう状況だというんだ……。
「おお……。オッサンじゃねえか」
「無事だったんだな。ギャハハハハ……」
「そんなことより、早くここを離れた方がいいぜ……」
三馬鹿が力なくそう言う。
「何があった? …………むっ!?」
視界の隅から、何かが高速でこちらに向かってきている。
これは……。
投石か。
「ふんっ!!!」
俺は向かってくる石を片手ではたき落とした。
もちろんただの投石なんぞでダメージを受けるほど柔ではないが、鬱陶しいのに変わりはない。
これを放った奴は何者なんだ?
ぶちのめしてやろう。
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