チュンチュン。
朝になった。
俺はさわやかに目覚める。
隣では、フィーナがまだ眠っている。
「はひぃ……。リキヤさん、すごすぎですぅ……」
フィーナが寝ぼけ眼のままでそう言う。
彼女は昨日が初体験だったようだ。
俺が優しくリード……するつもりだったが、ついついやり過ぎてしまったかもしれない。
そんなことを考えつつ、俺は朝の身支度を進めていく。
しばらくして、フィーナも目が覚めたようだ。
「おはよう。フィーナ」
「あ、おはようございます。リキヤさん」
フィーナは少し照れているようだ。
顔を赤くしてそっぽを向きながら、そう言う。
「何を照れているんだ? 昨日はあんなに激しかったじゃないか」
「う……。だからこそですよ。どんな顔をすればいいのか……」
「何も気にする必要はない。いつも通りのフィーナの顔でいてくれ」
「はう……」
フィーナが顔を真っ赤にする。
「何なら、朝からもう1戦するか? 俺は構わんぞ」
「……っ! も、もう! また今度です! 私は顔を洗ってきますね」
フィーナはそう言って、部屋から出ていった。
また今度、か。
彼女も気に入ってくれたようだな。
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俺も顔を洗ったりして、身支度を済ませる。
そして、フィーナ宅で朝ごはんをごちそうになる。
いつもは、フィーナの父ダイン、フィーナ、俺の3人で食べていた。
しかし、今日はまた別の者がいる。
「あなたがリキヤさんね。フィーナがお世話になっているわね。それに、村のためにいろいろとしてくれているとか。ありがとう」
30代くらいの女性がそう言う。
彼女は、フィーナの母親だ。
名前をマリカという。
これまでもずっとこの家にはいたが、病により自室から出てこなかった。
俺と顔を合わせるのはこれが初めてだ。
「ああ。別に構わないさ。フィーナには、俺もいろいろとお世話になっているからな」
主に下半身の世話だが。
……おっと。
親の前で軽口を叩きそうになった。
その気配を感じ取ったのか、フィーナがこちらをジロっと見てくる。
話を逸らそう。
「マリカさん。フィーナから少しだけ事情を聞いたのだが、何やら病を患っているそうだな?」
「ええ。今のところ、命に別状はないのだけれどね。家族にはいろいろと迷惑をかけてしまっているわ。先日も、フィーナが薬草を採取するために遠出して盗賊に襲われたそうだし……」
彼女がそう言う。
俺がいなければ、フィーナはあのまま盗賊に輪姦されていただろう。
危ないところだった。
「ううむ。病気については、俺はほとんど知識がないからな。申し訳ないが、力になれそうにない」
戦場での応急措置ぐらいであればともかく、病については専門外だ。
「いえいえ。リキヤさんのおかげで、ビッグボアも盗賊もいなくなりました。今ならたくさん採取できます。お母さんの完治の日も遠くないはずです」
「薬草か。薬草さえたくさんあれば解決するのであれば、俺も手伝おう」
「そんな、悪いですよ。リキヤさんにはさんざんお世話になっているのに……」
フィーナが遠慮がちにそう言う。
「せっかくだし、ここはリキヤさんのご厚意に甘えさせてもらったらどうだ? ビッグボアとブラック盗賊団の脅威はなくなったとはいえ、中型の魔物や盗賊崩れはまだ出るかもしれんしな」
ダインがそう言う。
「うーん。それなら、お願いしちゃいますね。リキヤさん」
「ああ。任せておけ。何が出ようとも、俺が守ってやるさ」
そんな感じで、俺とフィーナは薬草の採取に出かけることになった。
まあ、このあたりで最強の魔物であるというビッグボアは大したことなかったし、悪名高いブラック盗賊団も同じく大したことなかった。
鍛錬という意味では、さほどの意味はない。
しかし、フィーナにはすばらしい体を堪能させてもらったしな。
これぐらいのお礼はさせてもらおう。
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