格闘チャンプの異世界無双

〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無双する〜
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

87話 都合が悪くなった?

公開日時: 2022年11月10日(木) 17:12
文字数:762

 俺はたくさんの弟子をゲットした。

 領主邸の応接室で、たっぷりと筋トレに励む。


「ふぅ。いい汗かいたな!!」


「「「…………」」」


 弟子たちは言葉もなく息を切らしている。

 この程度で音を上げるとは、鍛え方が足りん。

 俺の弟子になったからには、徹底的に鍛えてやることにしよう。

 俺がそんなことを考えているときだった。


 コンコン。

 扉の向こうからノック音が聞こえてきたのだ。


「大変お待たせいたしました。メイドのサキでございます」


「ああ、入ってくれ」


 俺がそう言うと、ややあってドアが開かれる。


「失礼しま――って、ええっ!? な、なんですかこの状況は!?」


「ん? お前の知り合いじゃなかったのか?」


 このチンピラたちは、俺へ害意を持っていた。

 メイドのサキから出された茶に痺れ毒を仕込んだり、屋根裏に潜んだり、これだけの人数を集めて扉から襲撃してきたり……。

 とても外部の人間にできることではない。

 こいつらと領主が繋がっているのはほぼ確定。

 そして当然、メイドのサキも関係者だと思っていたのだが。


「知りませんよ! ど、どうなっているんですか!?」


「まぁ、細かいことは気にするな」


「細かくありません!」


「まあまあ、そんなことより茶のお代わりでも……」


「そんなことよりじゃないです!」


 サキが取り乱している。

 この様子だと、本当に知らなかったようだな。


「それで? ずいぶんと待たされたが、領主は俺と会う準備ができたのか?」


 たった今思い出した。

 俺がここにやって来たのは、領主と会うためだった。

 昼寝、筋トレ、弟子たちへの指導。

 かなりの時間が経過しているわけだが、未だに会えていないとはどういうことだ?


「あ、いえ……。領主様ですが、本日はご都合が悪くなったとのことでして……」


「ふむ? 今日という日程は領主から指定されたものだったはずだが?」


 俺は少しだけ不機嫌になってしまうのだった。

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