洞窟の出口で、三馬鹿と合流したところだ。
ゴブリンエンペラーを討伐したと伝えたら、なぜかドン引きされてしまった。
モヒカンが気を取り直し、口を開く。
「そいつは相当な売値がつくはずだ。俺たちとしても、ぜひほしいところだが……」
「オッサンみたいなムチャクチャな野郎の取り分を横取りするほど、俺たちはバカじゃねえ。そいつは好きに使いな。ギャハハハハ!」
今回の任務を通して、彼らから俺への評価もずいぶんと上がったようだな。
街に戻ったら、強制的に鍛えてやるか。
「ふむ。では遠慮なく貰っていこう」
俺はゴブリンエンペラーの剣を背中にくくりつける。
「おい、その死体はどうするんだ? このままにしておいていいのか?」
「いや、持って帰るつもりだ。ギルドに討伐を報告する際にあった方がいいだろう」
「そ、そうだな。なら、全員で協力して運ぶか」
モヒカンがそう言う。
「それには及ばない。これぐらい、俺が1人で担げる」
俺はそう言いつつ、ゴブリンエンペラーとゴブリンキングの死体を担いだ。
先ほど洞窟から出てくる際にも、担いでいた。
この程度、俺にとっては造作もないことだ。
「マジかよ!?」
「すげえパワーだ……。これでまだDランクだと……?」
「ランク詐欺もいいところだぜ! ギャハハハハ!」
三馬鹿がそう言う。
「ふむ。俺の実力を理解したようだな。鍛えたければ、いつでも俺に言うがいい。鍛え抜いてやるぞ!」
「「「…………」」」
俺がそう締めくくるが、三馬鹿は返事をすることもなく固まっていた。
そうかそうか。
感動とやる気で声も出ないか。
なかなか有望そうだ。
近い内に鍛錬を課してやることにしよう。
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