2RE:play〜ふたりプレイ〜

世界で最後のゲーム実況者
ハラアイ
ハラアイ

【懐かし】ゾンビ・ライフ実況プレイ【雑談】

公開日時: 2021年1月4日(月) 09:54
更新日時: 2021年1月4日(月) 09:55
文字数:2,758

生きとし生けるものたちよ、こんにちは、こんばんは! 皆のさえずるコトリです。皆さんは、呪われたゲーム「YOU」をご存じでしょうか? 俺の配信を追ってくれている人にはお馴染みだと思うけど……ま、それはいいとして。その「YOU」というゲームには、あるゲームが登場するんです。え? 意味がわからない? つまり作中作……ゲームの登場人物が、ストーリー中にプレイしているゲームがあるんです。その名も、『ライフ・ウィズ・ゾンビーズ』。ゾンビに支配され、荒廃した世界で、チームを組んで戦うソーシャルゲームなんだけど……おや? この設定、どっかで聞いたことない? そう! かつて一斉を風靡した大人気ゲーム、「ゾンビ・ライフ」とそっくりなんです! 実は俺、実況活動を始める前にこれにハマってた時期があってさ。YOUをプレイしててね、久々にやりたくなっちゃって……。




*タイトル画面表示『ゾンビ・ライフ』




ね、めちゃめちゃ懐かしいでしょ、この画面! まださえずるコトリなんて名前がなかった頃のデータだから違和感があるけど、このままプレイしちゃおうと思います。





*荒廃した町のマップ

*黒髪のアバターが一体


 【飛鳥】ライフLV457




わ、ちょっと恥ずかしいな……結構やり込んでいたからレベル結構いってるんです。あ、名前が本名かどうかはご想像にお任せします! ……しかし、うーん、流石に流行も過ぎ去っているから人が少ないね、NPCと討伐行こうか。でもこのゲームのNPC、結構出来が良かったよねぇ。プレイヤーに都合の良いプログラムって感じでさ、俺は好きだった。あ、もちろん皆のことも好きだよ。




*プレイヤー NPC選択 

▶話しかける

 

飛鳥「一緒に討伐に行きませんか?」




討伐ね。討伐ができるだけいいよね、この世界はさ。だって、俺達の場合は「声」だよ、声! 声で感染するって、何? って感じ。噛まれるとか、ウイルスならまだしもさぁ。本当、イヤホンするしか対処できないじゃんね。





NPC「うん、一緒に行こう!」


*暗転

*廃墟のマップに移動

*変異ゾンビ 2体が現れた!




お、変異ゾンビだ。相変わらず気持ち悪いね! そうだ、皆はさぁ、「声」に感染した人、見たことある? 俺はあるよ、声が聞こえないくらい遠くからだけど。あれは酷かった、変異ゾンビより酷い。恰好はね、服を着ている人、着ていない人、よくわからん何かを身につけている人とバラバラでね。草を食べている人がいると思ったら、その隣で共食いをしている人もいる。もう獣っていうレベルじゃないよ。獣は獣でも本能的に同じような行動を取るでしょ、でも「感染者」にはそれがない。本当に、個性があって……人それぞれなんだよ。




*飛鳥の攻撃! →500のダメージ

*討伐完了!




あ、俺一人で倒しちゃった……こんなことしたらめっちゃ叩かれるわ。まあ、NPCは別に文句言わないから良いよね。それにしてもさ、こんな風に、現実の感染者も倒せたらいいのにね。……そういえば、感染した人がどんな風に変化していくか、聞いたことある? ラジオで聞いた事あるんだよね、感染者の側に居た人の話。その人は、感染者が問題の「声」を発する前にその場を離れたから助かったらしいんだけど、感染者が徐々に狂っていく様子を間近に見たっていうんだ。





*マップ移動

*ビルの屋上

*腐りゾンビ5体が現れた!




まずね、感染者は避難所で本を読んでいて……ミステリー小説だったらしいんだけど、急に周りの人間におびえ始めたんだってさ。「この中に人殺しがいる」って。フィクションと現実の違いがわからなくなっちゃったんだってさ。俺達はさ、本は紙、映画はスクリーン、アニメやドラマはモニターっていう隔たりを認知することができて、「これは現実じゃない、フィクションだ」て理解できるでしょう。それが、まずわからなくなる。これがね、一説には、言葉の消失によるものなんだってさ。たとえばさ、この画面に映っている……屋上に転がっている木の枝、あるでしょう。




*飛鳥、アイテム「木の枝」の側に移動




これ、俺達が「木」や「枝」って言葉を知っているから、「木の枝だ!」って理解できるでしょ。じゃ、もし「木」や「枝」って言葉なくなったら? 「なんか地面から生えているでかいものから折れた一部」って表現するか? じゃあ「地面」や「でかい」って言葉がわからなくなったら? 「一部」って言葉が認知できなくなったら? さらにその症状が進んで、いつか「俺」とか「君」とかいう概念が、俺たちから失われてしまったら?




*飛鳥、木の枝を拾う →攻撃力+10

*飛鳥の攻撃! →510のダメージ!

*討伐完了!




……そんな風にしてね、徐々に世界そのものが、わからなくなっていっていくんだってさ。やがて「自分」と「その他の人」の区別もつかなくなって、ぼんやりとしはじめる。自分が消えて、世界そのものと一体化しはじめる。そこから問題の「声」が発せられるようになるんだと。ラジオに出てたその人は、その前に感染者から離れたらしいけどね。で、そこから、感染者はそれぞれ違った行動を起こすんだ。そのままぼんやりし続けて餓死する。獣のように、他の人間に食らいつく。人間以外の動物を食べて生き延びる。本当に、人それぞれ。理由はわかんないけどね。俺達は「言葉」をもって生まれてきた。そんな俺達が、言葉を持つ前に退行したときに起こす行動なんて……わからないよな、誰にも。だから症状もばらばらなのかな。俺達は言葉によって、同じ種族だって思い込んでるだけで、本当は別々の生き物なのかもな。





NPC「やったぜ、飛鳥!」





そんな感染者だけど、唯一「統一」されてする行動がある。それが「声」だよ。仲間を増やすための「呼び声」。ちょっと思うんだよね。そうやって声を発して、「言葉発祥以前」に引きずり込もうとする彼らは、幸せなんじゃないかなって。自他がなくなって、この世と一体化することはそんなに悪くないんじゃないかって。だから俺達を仲間にするために、声を発しているんじゃないかって。これは俺の勝手な妄想なんだけどさ。




*飛鳥 レベルアップ!

 ライフLV458




じゃあさっさと感染者の声を聞けば? って感じだけどさ。でも俺はやっぱり、ここで実況し続けたいんだよね。認知され続けたい。「俺はここにいるぞ」ってさ。いままで誰にも存在を認めらなかった人生だったけどさ、ここにきて、ようやく、俺のことを見てくれる人ができた。すごく嬉しいんだ。だから声を発し続けたい。俺が生きている限り、自我を保っている限りは、俺を表現し続けたい。




*タイトル画面表示『ゾンビ・ライフ』





だからね、これからも俺の実況、見続けてくれたら嬉しい。そう思って、今日は懐かしの「ゾンライ」プレイしました。では、みんな。本日も良く生き残りました。生きて、明日もまた会いましょう。ばいばい。

*このテキストは、フィクションです

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート