「どういうこと…?」
「なにが?」
「…あ、いや」
「幽霊って、まじで言ってる?」
ああはいはい。
そうですね。
幽霊です。
他の人には見えておりません。
「でも昨日スイーツ買ってなかった??」
うっ…
なんでそんなところまで見てんの?
幽霊だってスイーツくらい買うよ!
疲れてんだから。
「いや、そうじゃなくて、周りには見えてないんだろ??ってか足あるじゃん!」
幽霊に足がないって誰が決めたの?
それに、その気になれば周りに姿を見せることもできるんです。
“その気になれば”
「大体お金は?」
「お金?」
「幽霊なのにわざわざ金払ってスイーツ買ったん?」
「そりゃタダでってわけにはいかないでしょ。お店のものなんだから」
「ほう…。じゃあ、ちょっと触ってみてもいい?」
やめろよ!!
なんなの昨日から!?
それ以上近づくとぶっ飛ばすからね!
冗談じゃないから!
「へんな意味じゃないって!だって幽霊なんだろ?実体があるっておかしくない??」
「それは世間が決めた勝手な定義です」
「おちょくってない…よな?」
「真面目に話してますが??」
「確かに言われてみると、誰が決めたんだって話ではあるか…。いやいや、でもだな」
無茶苦茶な理論を展開して、なんとか納得してもらおうとした。
これぐらいしか思いつかなかった。
生き返ったんだって言うよりマシじゃない??
実質幽霊みたいなもんでしょ?
天使なんて。
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