『ガブリエル商会』
かつて熾天使として君臨していた第一位天使、ガブリエル。
“彼”は、とあることがきっかけに天界を抜け出し、堕天使となってしまった経緯があった。
天界はただちに賞金をかけ、世界各地で指名手配を敢行した。
そこらへんの天使ならともかく、捕縛対象は特務機関にも所属していた経緯がある「熾天使」だ。
野放しにしておくわけにもいかず、天界の主力戦力を投入した「作戦」にも発展した。
しかし、いまだにその消息が掴めずにいた。
「彼が地上の魂の売買をしてるって「噂」は、十数年前からあったんだ。ただ、数年前に『十字旅団』っていう国際非加盟組織が見つかって、そのグループの中に「ガブリエル商会」が存在したの。…と言っても、ガブリエル本人はまだ見つかってないようだけど」
「でも、魂の密売…って、どういう…」
「それこそさっき話した、「扉」。ある化学装置を使って、魔界へのルートを構築することができる。この技術の根幹は、管制塔内部のシステムとほとんど同じ。中身としては、規模が大きいか小さいかだけ」
「つまり…?」
「「扉」っていうのは、そういう意味。地上と魔界を自由に出入りするための科学装置。その装置を介することで、「悪魔」を人工的に製造することができる」
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