COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

守る世界に、キミはいるのか
平木明日香
平木明日香

第157話

公開日時: 2024年2月26日(月) 13:54
更新日時: 2024年2月26日(月) 14:22
文字数:558


 「いくつか原因は考えられるけど、多分、出てきたんだろうね」


 「出てきた!?」


 「ブラック・ストリームはいわばエネルギーの「海」だ。あらゆるものを通過させることができる。人間が生身で入ったら肉体の消失は免れないが、それでもエネルギーそのものは失われない。まあ、「個」を維持することは不可能だが」



 坂本先輩がそう言う。


 続いて、ヨル先輩が。



 「それにしても大きいね。ここまで大きい断層は久しぶりかも」


 「開き方を見るに、中からこじ開けられてる…?」


 「それはないんじゃない?断層を内側からこじ開けられる悪魔なんて早々いないし」


 「プレートの歪みが発生したとか?」


 「生憎“揺れ”は感知されてない。かといって、自然な開き方でないことは明白だ。となると、やはり…」



 断層に、プレート。


 聞き慣れない言葉たちが飛び交う中、深雪先輩が声をかけてくれた。


 多分、顔に出てたんだと思う。


 ちなみに会話に参加してないのは私以外にも1人いた。


 『スライム使い』こと、水無月モモカ。


 魔導書を読み漁っていたあの子供だ。


 彼女は、最近魔女グッズにハマっているらしく、移動手段も杖を使うなどかなりマイペースな側面を持っている。


 ミッションなどそっちのけで、ふわふわ宙に浮きながらページをめくっていた。


 話なんて全然聞いていなかった。


 どうやら、「仕事」にはさほど興味がなさそうで。



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