チームのランクは、単に魔力の高さや個々のメンバーの強さだけが反映されているわけではない。
これは「FPI(対戦闘用国際軍事力)」という指標について説明したように、一部隊の戦闘力を算出する上では、目に見えない様々な要素を加味しなければならないからだ。
例え個々の力が大きくなくとも、チームとしての連携性や組織力が大きければ、1人1人の能力やポテンシャルが劣るチームが戦いの場において優位に立つことも珍しくはない。
天使は「個」の力よりも、「融和性」という部分においてより高い評価が得られる傾向にある。
なぜなら“個対個”の戦闘のシチュエーションよりも、複数対複数、あるいは、“複数対個”での戦闘の方が日常的に起こりやすく、戦闘を優位に進めるための重要な要素になるためだ。
緊急の場合を除き、魔族との戦闘は「複数」での対応が基本原則となる。
過去の戦闘のデータや理論値上の数値を元に算出された「GPI」という指標によれば、魔族との戦闘を考えるときに必要なインデックスは、
①軍事費(国防予算(エネルギー総生産)の額)
②人的戦力(兵員数)
③物的戦力(装備の数)
④兵員の質(訓練練度・兵員の素質)
⑤技術力(装備の性能、魔力/魔法への知識・練度)
⑥情報力(情報収集・分析の能力)
⑦戦略・戦術(戦うノウハウ)
⑧法的権限(軍事力の各地域毎の位置付け)
⑨同盟関係(集団防衛の枠組)
⑩地政学的位置(地形の守り易さ)
である。
ケースバイケースではあるが、管制塔などの防衛設備が整っている以上、現代はあらかじめ統制の取れた編成の中で動くことができる環境にあり、「単独で動く」というケースは特殊な事情を除いて考えにくい。
チーム単位で動くことのメリットを加味すれば、日常的な戦闘は常に複数形式での対応に傾くことが多く、むしろその基準をベースに戦闘時のマニュアルや指導書が構築されている。
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