COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

守る世界に、キミはいるのか
平木明日香
平木明日香

第123話

公開日時: 2024年1月25日(木) 14:33
文字数:441



 ドッ…!



 槍がリンの皮膚の表面に触れる。


 被弾は免れなかった。


 それは互いの意識の流れの中に流動的に認識できる「感触」だった。


 “超電導”


 ——しかし間に合わない。


 カーティスは槍の「中」に魔力を閉じ込めていた。


 超電導が干渉できるのは魔力が「裸」の状態である時、つまり外側へと漏れ出ている時のみだ。


 リンの体に接触したのはあくまで槍の本体。


 物質としての実体的な表面でしかなく、魔力の「流域」ではない。


 槍はリンの体にぶつかるや否や、破裂音のような音を出した。


 わずかに展開されたシールドの衣を弾いたのだ。


 直線的に伸びた軌道は大地の皮膚を灼き、空間に穴を開ける。


 リンの体は貫かれていた。


 回復途上だった左腕の骨を穿ち、胸の中心に風穴が開く。


 心臓は槍の先端にあった。


 …というよりも、その“鮮血”が飛び散っていた。


 おびただしいほどに漏れ出る赤い液体が、十文字の刃に滴り落ち。



 ザッ



 勝負あった。


 誰もがそう思った時だ。


 ジリッ…と、わずかな気配がフィールドの中心から流れ出た。


 それは「カーティス」のものではなかった。



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