「わかった。一旦お前は「幽霊」だってことにする。だから落ち着け」
「あなたはただの友達なんでしょ?」
「あ、うん」
「私のためだと思って、もう関わらないでくれない?色々事情があるんで」
「なんで??」
「だから事情があるんだって」
「それはできない」
「は?」
「関わらないってどういうことだよ。なんか理由があるんだろ?」
それができないから困ってんでしょ?
できないものはできない。
プライバシーだし、他人のあなたがいちいち掘り下げなくてもいいことじゃない?
「確かに他人だけど、俺たち付き合ってたんだぞ…?」
………は?
…今なんて言った?
「だから、付き合ってたって」
付き合ってた…?
付き合ってたって…?
…え、どういう意味?
そういう意味…?
友達としてとかじゃなく…?
「他にどんな意味があるんだよ」
「…いや、それはそうだけど、ええ!?」
ただの友達だって言ったじゃないか!
幼なじみで、学校の友達で。
付き合ってた!?
あんたと私が??
「そうだよ」
「嘘でしょ?」
「嘘ついてどうする」
「証拠は?」
「証拠!?」
男はおもむろにスマホを取り出し、画面を見せてきた。
写真が保存されてるファイルには、「私」の姿があった。
男と一緒に写ってる、楽しそうな姿が。
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