COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

守る世界に、キミはいるのか
平木明日香
平木明日香

第144話

公開日時: 2024年2月13日(火) 15:28
文字数:611


 「ごめんごめん!お待たせ〜」



 具材モリモリの苺クレープを片手に、ピンクのアッシュが入ったワンサイドアップの髪が揺れている。


 少し大きめのニットトップスに、通気性が良さげな無地柄のイージーパンツ。


 偵察部隊には似つかわしくないド派手なサイドバックが、肩にかけられていた。


 これから遊びにでも行くかのような軽めのテンションが、生クリームのついた口のそばで弾んで。



 「まーちゃん、怒られてない?大丈夫?」


 「怒られるって、誰に?」


 「ウチの坂本だよ。「遅い!」って言っててさぁ〜」


 「怒られてないよ。大丈夫」



 坂本というのは、強面の男の人のことだ。


 さっきから険しそうな顔でこっちを睨んでいる。


 強面とは言ったが、ぱっと見はすごく好青年だ。


 服装もスッキリしてるし、顔立ちもこれといった癖がない。


 てっきりこの人が「リーダーだ」と思ったくらいだった。


 全体的な雰囲気というか、責任感が強そうな見た目から。



 「おいヨル。お前には節度っていうものがないのか?」


 「坂もっちゃん。そんなカリカリしてると禿げるよ?」


 「なッ…!」



 思わず笑ってしまいそうになる。


 どう見ても「上司と部下」って感じじゃない。


 坂本先輩が言うヨル、——つまり“夜月先輩”は、年齢的には多分高校生くらいだ。


 ワンチャン大学生かな?


 それくらい若かった。


 天使には「年齢」なんてものはないと言うが、2人のやり取りを見てると、どうも違和感が。


 年齢的な差もそうだし、何より、「異色な組み合わせ」って感じがして。

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