あらゆる生物や物質はエーテル粒子で構成されているが、「魔力」とはいわば“エーテル粒子を介したエネルギー場⇄量子体系の一種”であり、天使や悪魔の持つ『物理的な実体をとらえる場合の理想化された描像(イメージ)=脳の回線』を介して、物体という実線⇄物量へと具象的に変換された【有効自由度=空間に埋まった無限個の自由度の集団運動】だ。
属性というのは、単に生まれつき備わっている「能力」というよりも、エーテル粒子がより高エネルギーの量子場へと動き回るための”分子間流域“であり、エネルギーのポテンシャルを引き上げるための”仲介経路(『エネルギーの通貨』とも呼ばれる)“でもある。
属性という「場=フォーマット」を通じて魔力は初めて“形”を持ち、線を描けるようになる。
だからこそ、夜月が感じ取った魔力の“形質”には、どこか異常な物性が含まれていた。
…いや、“混ざっていた”。
キョウカの行動を制止しようとしたのは、球体から通常では考えられないほどの豊富な魔力の色相を感じたからだ。
元々そこにあったものというよりも、巨大な引力によって様々なエネルギーが引き込まれ、無数の色や形が組み合わさってしまったかのような奥行き。
「黒」は、そういった捉えようのない深みを帯びていた。
だからこそ…
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