霊術院。
天界にも地上で言う「学校」みたいな機関があって、そこでは、三つの『部門』に分かれた教育制度が展開されている。
1つは軍事部門。
これは文字通り天使としての戦闘面を指導する部門で、魔族討伐のための知識や武術が、主に実習を通じて実施される。
ほとんどの天使はこの軍事関係のクラス(学部)に配属されるが、霊術院で学ぶ生徒の大半は、生まれつきBクラス以上の魔力総量を持つエリートであることが知られている。
Bクラスと言うと、天使の階級で言えば第六位から第四位に該当し、成長次第では特急クラスにまで上り詰めることが、過去の事例でも明らかにされている。
霊術院出の天使だからといって必ずしも第六位以上になれるわけでもなく、場合によっては第八位にさえなれないことも。
ただ、霊術院の目的としては、優れた才能を持つ天使たちを集め、整備された環境の中で高度な訓練と教育を受けさせ、1人でも多くの戦闘員を輩出することが主なテーマとなっているため、才能の芽が出ない天使がいるのは仕方がないことなんだとか。
霊術院で学んだ生徒は、順当に進めば天界の守護部隊の一員になる。
天軍直轄の諮問機関である魔力研究委員会により設立された、軍事機関LEGIONは、天界で社会問題化している犯罪者(反政府組織軍や堕天使関連がこれらに該当する)の増加を抑えるため、優れた戦闘能力を持つ精錬者たちを集め、地域の治安維持に尽力しているそうだ。
天軍直轄っていうと他にもいくつかあるみたいだけど、とにかくそう言った軍事関連の組織のメンバーには、霊術院出身の天使が多く輩出されている。
私みたいなポッと出の天使は、そもそもそういった話すら舞い込んでこない。
そういった「話」っていうのは、つまり、霊術院に入るかどうかっていう勧誘的な。
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