「解析はまだか?」
「無茶言わないでよ。始めたばっかなのに」
「めんどくさいヤツらが来たんだよ。さっさと原因を究明して引き上げるぞ?」
“めんどくさいヤツら”とは、真琴たちのことだ。
元々彼女たちは仲良くなかった。
それもそのはずだ。
キョウカは好戦的な性格で、区内の討伐作戦では揉め事も多い。
団体行動ではチーム同士の連携と意思疎通が重要となるが、彼女が率いる「名古屋ジェッツ」は、他のチームとの交流をほとんど取らないことで有名だった。
元々、彼女は「ストリート・エンジェル」の出身だ。
ストリート・エンジェルとは通称“野良の天使”と呼ばれ、個人事業主や賞金稼ぎなどがそれに当たる。
地上に異動になった彼女は、しばらく活動の拠点を“管制塔外”に移していた。
チームに在籍するようになったのは最近のことだ。
チーム内のメンバーである赤松トオル。
彼と出会ったのは、数年前のことだった。
名古屋ジェッツに入隊したのは、彼からの誘いを受けたためだ。
それ以来、彼女はその実力と才能により、チームを率いるリーダー格にまで成長した。
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