COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

守る世界に、キミはいるのか
平木明日香
平木明日香

第241話

公開日時: 2024年6月29日(土) 15:21
更新日時: 2024年6月29日(土) 16:56
文字数:640


 緑間は察知していた。


 夜月からの信号。


 それは自分自身が思考するような速さと、“時間間隔の滑らかさ”を伴っていた。


 チャットポッドを介してチーム内の作戦を共有するよりも、遥かにタイムロスの少ない情報の伝達。


 「紫電」の行動に際して行われる体重移動。


 その僅かな挙動の隙間に、メンバーたちの意識は介在していた。



 『バブルガム』



 緑間桔平は水無月モモカと同じ水属性の天使だが、彼は「粘性(ガム)」と呼ばれる特性を持っており、自らの魔力を介して物質を“曲げる“ことができる能力を持つ。


 この能力はリオンの「屈折(リフレクション)」と似ているようで、異なるものだ。


 リオンの能力は”範囲型“と呼ばれるもので、能力の領域を外に広げることはできず、限られた範囲の中でのみ効果を発することができる。


 リフレクションは、どちらかと言えば『防御系統』の性質に分類される。


 系統はいくつかの種類に分かれているが、系統ごとのはっきりとした分類がないため、属性や能力の『型』のようにカテゴリー化されているわけではない。

 

 緑間桔平の「ガム」は、対象となる特定の物質に対し伸縮性のある“ねばりけ(粘度)”を付与することができ、付与させた物質の形状や質量を、“一時的に”ではあるが、自由に変形させることができる性質を持つ。


 “操作型”の能力。


 彼は自らの属性の魔法を用いながら、「ガム」の能力を有効に活用するための術を豊富に持っていた。


 上空で膨らんだ「風船」の正体は、彼の特性が付与された液体、「バブルガム」と呼ばれる特殊な“泡”だった。


 

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