真琴は弓を構える。
相性が悪いのは百も承知だった。
属性が同じであれば、相手へと与えられる影響は理論的には薄くなってしまう。
炎対炎
図式としては単純ではある。
通常与えられるダメージ量やダメージ効率も、属性間という視点から再度計算し、想定し直さなければならない。
ただし、それを行うためには時間が足りなかった。
ただでさえ情報が少ない状況だ。
想定だけで動くのは危険だが、この“機”を逃さないわけにはいかなかった。
真琴の「テンション」は“4“に上昇していた。
テンションの効果は「一度の出力に伴う魔力効率と仕事量の大幅な強化」だと解釈できる。
連続して同様の効果を発揮することはできないが、その分単位面積当たりのエネルギーは通常のものに比べてはるかに大きく、短い時間の中でより強力な“一撃”を発生させることが可能だった。
夜月がその場に留まっていたのは、オートメーションの効果範囲を最大化するためだ。
オートメーションの効果対象は、近い距離で繋がっていればいる分、その精度を上昇させることができる。
夜月の“電気“はすでに地面と繋がっている。
敵との位置関係を測りつつ、真琴の”サポート”に徹していた。
——そして、もう1人。
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