スパークショットよりも直接的な打撃の方が威力が大きい。
ショックウェーブは物質の内部の構造を揺らし、その分子構造を変形させる。
シールドは魔力で構成された特殊構造物。
単純な魔法障壁とは少し勝手が違うが、敵の魔力流域に直接接触できる分、与えるダメージの大きさもより深く、鋭かった。
だからこそカーティスは、できるだけその攻撃が被弾することを避けたいはずだ——
リオン君は言った。
防御を固めるだけでは防ぎきれない。
地面に電気が通る限り、先輩から逃げることは不可能に近い。
相手の攻撃を「受ける」だけでは不十分。
今の状況を打破するには…
ザァァァァァ
カーティスの異名は“土竜”。
それは彼の移動範囲、及び行動領域が、地面の「中」にまで及ぶためだ。
しかし地面の内側には潜り込めない“理由”があった。
それは先輩の“電流”が、地面の内側へと及ぶため。
下に潜ることはあり得ない。
先輩の攻撃を真正面から受ける以外に逃げ道は無い。
ゴッ
先輩の拳がシールド表面を捉える。
捉えると同時に振動が走った。
ショック・ウェーブの特有の“反応”だ。
魔力消費量が大きい分、連打はできない。
しかし継続的なダメージを与えられる。
そのダメージ総量は通常の電撃を浴びせ続けるよりも大きい。
先輩はそれを、左拳にも控えていた。
溜めの動作から大きく息を吸う。
そして、——止めた。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!