COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

守る世界に、キミはいるのか
平木明日香
平木明日香

第103話

公開日時: 2024年1月4日(木) 15:16
文字数:557



 スパークショットよりも直接的な打撃の方が威力が大きい。


 ショックウェーブは物質の内部の構造を揺らし、その分子構造を変形させる。


 シールドは魔力で構成された特殊構造物。


 単純な魔法障壁とは少し勝手が違うが、敵の魔力流域に直接接触できる分、与えるダメージの大きさもより深く、鋭かった。


 だからこそカーティスは、できるだけその攻撃が被弾することを避けたいはずだ——



 リオン君は言った。


 防御を固めるだけでは防ぎきれない。


 地面に電気が通る限り、先輩から逃げることは不可能に近い。


 相手の攻撃を「受ける」だけでは不十分。


 今の状況を打破するには…




 ザァァァァァ




 カーティスの異名は“土竜”。


 それは彼の移動範囲、及び行動領域が、地面の「中」にまで及ぶためだ。


 しかし地面の内側には潜り込めない“理由”があった。

 

 それは先輩の“電流”が、地面の内側へと及ぶため。


 下に潜ることはあり得ない。


 先輩の攻撃を真正面から受ける以外に逃げ道は無い。


 

 ゴッ



 先輩の拳がシールド表面を捉える。


 捉えると同時に振動が走った。


 ショック・ウェーブの特有の“反応”だ。


 魔力消費量が大きい分、連打はできない。


 しかし継続的なダメージを与えられる。


 そのダメージ総量は通常の電撃を浴びせ続けるよりも大きい。


 先輩はそれを、左拳にも控えていた。


 溜めの動作から大きく息を吸う。


 そして、——止めた。


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート