クレソンの部屋で、クレソン、ラトナー夫妻の3人はトッドの話を聞いていた。
誕生日にもらった気持ち悪い人形はいま思いだしても気持ち悪い。
と、トッドは語る。
いいか、あれは去年の話だ。10月10日、僕の誕生日、母さんはいきなり家にやって来た。でかいものを包んだ紫の風呂敷を持ってきた。それを開くと、その包みの中にはチャイルド・プレイに出てくるチャッキーの頭がパカッと割れたような気持ち悪いでかい人形が入っていた。
うわぁ…… 。
うわあ、ありがとう。
どういたしまして。
と、トッドとクレソンは話す。
ん〜 よく分かんないけど、なにか不思議な事が起こった時の顔してる。
そうか…… 。
なにかあったんだな。
僕はもう気絶しかけたよ。なぜあんなプレゼントを選んだのか。ママは昔から気持ち悪いものが好きなんだ。チャッキーも大好きだ。その延長線だな。
お前の親は変わってるからな。
そう、変わってる。
それで?
そう、それで、もらったけど売ったんだ。
なに? 売ったのか?
そう、101ドルだった。
なに? 101ドルで売れたのか? 凄いじゃないか!
たしかに凄いな。だけど…… 。
なんだよ、なにかあるのか?
いや、その…… 。
と、トッドはメガネを外し、両手で目を撫でる。
なにかあったのか? そんな顔して。
そんな顔って? どんな顔?
ん〜 よく分からんないけど、なにか不思議な事が起こった時の顔してる。
そうか…… 。
で? なにがあった?
いま何月だっけ?
3月だよ。 それがなんだよ。
じゃあ話せないな。7月、8月辺に話してやるよ。
は? なんだよ、それ! 気になるじゃないか!
待ってろ。今は無理。
なんなんだよ!! 教えろよ!
と、クレソンはしつこく聴く。
うるさいな! 時期になるまで待てよ!
わかったよ…… あとで絶対話せよ。
あ〜 わかった。
そういえば妹はどうしたんだ? たしか喜んだって聞いたぞ。
そうなんだよ!? あいつも頭おかしいんじゃないのか!? あのキッズ人形貰って喜ぶなんて、正気の沙汰じゃないぞ!
それ、お前が言うのか。
なにが言いたい。
なにもない。
あ、そう。妹はその人形まだ大切に部屋に飾ってあるぞ! 丁寧に透明なボックスの中に入れてな!
それキモイ…… 。
だろ!? 捨てろって言っても頑なに捨てようとしないんだ! 売れるのに売らないし! うちの妹とママは頭がおかしいぞ!
そうだな、そんなカッカすると頭から煙が出るぞ、トッド閣下。
それもそうだな。僕も正気を取り戻さなきゃ。
左様でございます、トッド閣下。
とクレソンは言う。
さて、もう行くよ、これからあの妹とママとパパと食事だ。
そうか、くれぐれも気をつけて。
なにを?
いやなんでもない。
じゃあまたな。
と、トッドはクレソンの部屋を出た。
見たか? トッドも頭おかしいぞ? どう思う? 2人とも。
と、クレソンはお母さんとお父さんに問うた。
しょうがない、あの二人の子だ。
と、2人とも同じ意見であった。
クレソンはヤレヤレと首をふった。
ー ♯15 おかしな子 ー 続く。
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