クレソンのソファーに座りながら、ノーランはラスコン夫妻について話す。去年のトッドの誕生日プレゼントについてだった。
それでな、あの夫婦はトッドにあるものをあげた。それが人形だ。
ノーランが言う。
人形?
と、不思議がるクレソン。
そうだ、あのガーベッジ・ペイル・キッズってキショい人形しってるか?
ああ、しってるよ。6000種類ある泣き顔が特徴の気持ち悪い人形だっけ?
そうだ。その人形の耳から汁みたいなものがでてるデザインのやつをトッドにあげたんだ。
うわあ、きも。
あれをあげて喜ぶやつがいるのか?
さあね? その人形をトッドにあげるた1ヶ月後、妹のサマンサにあげたんだ。
は? あの気味の悪い人形を?
そうだ。
まーさかぁー!?
と、クレソンは笑っている。
いや本当だ、そしたらサマンサどんな反応したと思う?
キャー! 気持ちわるいー! すてて!! とか?
いや、キャー! 私これすきなの!! ありがとう! と言ったそうだ。
は? あいつはそんなキモかったのか?
まああいつは変人だから。
いや、あの家族みんな変人だ。
たしかに。
そういえばサマンサと言えば、最近会ったよ。
どこで?
この前フォートワースのドラマの会社に向かってる途中のカフェに、サマンサがいた。
フォートワース? なんで?
なんかメキシコに向かうって言ってた。あいついまフォートワースの映画制作会社で映画監督助手してるからね。仕事で、メキシコに行くって。
へえー、サマンサが監督してるのか!
いや監督じゃなくて監督助手ね。
そこでインターフォンのベルの音が聴こえる。
ん? だれだ? 2人ともちょっと待って。
わかった。
と、ノーランが言う。
インターフォン越しに「トッドだ!」と言う声の高い男の声が聴こえる。
それに対してクレソンは「入ってこい」と言う。
噂をすればトッドが来た。
そうか。
クレソンは扉の鍵を外す。
そこにすぐさまトッドが扉を開けて、入ってくる。
やあ!! クレソン! と、えー…… え? なんで、ラトナー夫妻がここに?
ああ、今日は用事あって3日こっちに来てるんだ。今日からね。
なるほどね。
そういえば、トッドに聞きたいことがあるんだ。
なんだよ。
去年、すーごい不気味で気持ち悪い変な誕生日プレゼントを貰ったらしいな?
なんでそれを知ってるんだ?
俺が話した。
と、ノーランが言う。
ノ、ノーランさん。言わなくていいんです。多分父さんが話たんですね?
そうだ、なんか怒ってた。
そりゃあ怒るでしょ!! あんなもの貰って!
まあたしかにな。
と、クレソンが言う。
それ詳しく聴かせてくれよ、トッド。
分かったよ…… 。
と、トッドは去年の誕生日プレゼントについて話そうとしていた。
どんな変わった話なのか。
ー ♯14 誕生日プレゼントについて ー 続く。
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