異世界から元の世界に戻ったはいいが時代が過去にズレていた……あらすじにもあるその展開、本文を読んでみると主人公のつらさが身にしみます。異世界をエンジョイしていたならまだしも、苦しみながら帰還だけを願って戦ってきた彼に、これはあんまり!
それでも他者への優しさを失わない精神のなんと尊いことでしょう。誰よりもまず主人公に幸せになってほしいと、こんなに強く思った作品は初めてです。そんな彼の姿に胸を痛めて親身になってくれるヒロインや仲間たちも素晴らしい。
主人公たちが光なら、敵対する鬼は闇そのもの。
あまりに理不尽に、また圧倒的な暴力で襲ってきます。それに力を合わせて立ちむかっていく主人公たちの姿もまた熱い! 光は闇を打ち払えるのか!? 練りこまれた架空の江戸時代で繰りひろげられる時代劇ファンタジー、必見です!!