異常な進化を遂げた植物との生存競争に脅かされる人類。ひとりの少女が家族を奪われた復讐のために立ち上がる。
描写が神。一行読み進めるごとに映像が脳内で自動描写されていく。
限りなく削ぎ落とされたシンプルな文章とテンポの良い物語の進み具合のバランスがよく、一気に読めるエンターテイメント。
多くを語らず、淡々と語られながらも感情を揺さぶってくる真野てんワールドは僕の大好物です。
引き締まった、しなやかな文体がとても読みやすく想像し易い好作。主人公のモチベーションや感情の揺れがしっかりと描かれ、筋の進行と噛み合っていて外さない。
脇役を用いた演出や作中での謎解きも良く計算されており、総じて構成の練り込みが実感できる。
アクションシーンがまた重すぎず軽すぎず、他の場面とバランスをうまくとっているのが非常に良い。
必読本作。