ある日、目の前で人が殺された。
ディズニーランドに2人で行った東京からの帰り道。
新幹線に乗って、駅から家までの狭い路地。
中学の同級生で、幼馴染。
俺の初恋の人だった。
目の前で殺された人は、俺にとっての、“人生の全て”だった。
prrrrrrr
ひっきりなしに電話が鳴っている。
スマホ画面に載っていたのは、学校の友達だった。
もうかれこれ、2週間も学校を休んでいる。
ついこの間まで病院にいた。
ナイフで背中を刺され、一時意識を失っていたからだ。
俺の背中を刺した犯人はまだ捕まっていない。
若い男だった。
うろ覚えだけど、…多分。
路地は暗くて、明かりは電柱についた小さな外灯だけ。
月が綺麗だった。
住宅地の中を歩きながら、たくさんの星が降る空の下を歩いてた。
クスッと笑った彼女の顔が、静かな街の中に煌めいていた。
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