変わらない時間を過ごす、退屈な日々。それはそれで幸せだと思っていた。
花仙高校の高校一年生20人は、突如として異世界に飛ばされた!どこからか聞こえてきたのは担任の声。
「皆さんにはこれから迷宮をさまよっていただきます。元の世界に帰る方法はただ一つ、迷宮最奥の扉に到達することだけ。それでは、せいぜい頑張ってください」
突如迷宮に閉じ込められた、能力を与えられた子供たち。生き残るためには、数々の試練を乗り越えなければならない。一見、団結したかに思えたクラスだったが、内実は一枚岩ではなかった。
以下、ネタバレ含みます。
他人に興味を持てない性格のせいで、クラスから浮いていた天野勇気。しかし彼は純粋で、勇気ある人間だった。彼の夢は、誰かを庇ってかっこよく死ぬこと。彼はその夢を叶え、第一の試練で自分ひとりを犠牲にしてクラス全員を救う。
しかし、彼が死んだことでクラスの団結が崩れてしまう。そのクラスを再び一つにしたのは、クラス一の人気者、加賀祐だった。彼はクラスを率いていくにはうってつけの人物だった。しかし、彼には責任感が強すぎるという短所があった。天野に引き続きさらなる犠牲を出してしまった加賀は、それを悔やみ自ら死を選んでしまう。
加賀という求心力を失ってしまった生徒たち。果たして、一体何人が生き残ることができるのだろうか。