完結済 短編 現代世界 / その他

馬息子 馬糞

公開日時:2022年8月3日(水) 07:56更新日時:2022年8月3日(水) 07:56
話数:1文字数:1,604
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 突然だが私は共産主義が大嫌いだ。

 理由は中学時代の社会科の教師が日教組で、受験生である私達に『岸、コイツが極悪人で・・・』とか『張作霖爆殺事件は・・・』とか授業カリキュラムと関係ない事を喋り続けたからだ。

 『授業をして下さい、私達は受験生なんです』とすすり泣く女生徒に対し、そのクソ教師が『君も大人になれば僕が如何に大切な事を言っていたかわかるよ』と肩に手を置き言っていた。

 果たして、クソ教師の言う事は女の子に理解出来たんだろうか?

 私にはサッパリわからない。


 良かった事もある。

 私の両親は共産党員だが、私はお陰様で共産党が大嫌いになった。

 しかし、両親が共産党員だと『共産党だから嫌い』とは言えなくなる。

 私が中国人の彼女と付き合えたのは、無条件に共産主義を嫌わなかったからかも知れない。

 それに共産主義者には感謝もしている。

 それは父親が茅場町に勤務していた時の事だ。

 200メートル先で『地下鉄サリン事件』が起きた。

 電話回線は混雑していて、父親の無事は不明だ。

 私達家族は手を合わせ、父親の無事を祈りながらテレビに映し出される『死亡者リスト』『負傷者リスト』を見ているしかなかった。

 父親と連絡がついたのは事件発生から数時間後だった。

 何日か経つと段々事実が判明してくる。

 どうも事件を起こしたのはオウム真理教らしい。

 そのオウム真理教に対し、弱腰のテレビ局はオウム真理教の特集をオウムの圧力で放映しなかったらしい。

 オウムに敢然と立ち向かった人達がか有田芳生、江川紹子という共産主義者達だった。

 『政治、テレビは宗教から影響を受けてはいけない』その時、私は強く思った。


 そう思った直後くらいの話だ。

 大学の後輩が『競馬予想ソフト』を50万円で買った。

 パソコンがまだ高級品の時代だ。

 パソコンはだいたい30万円くらいした。

 学生はパソコンを買う金がない。

 私は『秋葉原に安いパソコンショップがある』と知り合いに誘われた。

 後にその『マハーポーシャ』というパソコンショップはオウム真理教系列だと知る。

 私の後輩に趣味でパソコンを自分で組み上げられるヤツがいた。

 ソイツの家でその『競馬予想ソフト』を起動してみる。

 原始的なんてもんじゃない。

 ただの数字の羅列だ。

 そのソフトを使っても、競馬どころかダービースタリオンも当たらない。

 簡単な話が騙されたのだ。

 『金を取り返したい』『親には言えない』私は後輩に泣きつかれた。

 しょうがなく私は警察に連絡したのだ。

 警察は私に『消費者相談センター』の電話番号を教えた。

 『単刀直入に聞きます。お金は返ってきますか?』私はたらい回しにされ少しイライラしながら聞きました。

 『難しいですね。詐欺じゃありませんから』と消費者相談センターは意外な反応を返してきた。

 『詐欺じゃない!?

 こんなゴミみたいなフロッピーディスク一枚で五十万円も取っておきながら!?』

 『そうです。

 例えばあなたが100万円でリンゴを買わされるとします。

 売った人が罪に問われる事はありません。

 価格設定も、何を売るかも当事者の合意があれば自由取引の一環です。

 警察も事件性なし、って事で消費者相談センターを紹介したんでしょう。

 霊感商法も同様に罪には問えません』


 皆さん、冷静になって欲しい。

 霊感商法は犯罪を問えない。

 沿革団体をつくるのなんてヤクザでもやってる。

 果たして『統一教会』の犯罪は立証出来るのか?

 

 『我々の生活に忍び寄ってきている』

 『犯罪は立証出来ない』

 『そういうグレーな団体が政治家の後援団体になっている』

 我々が最も知るべき情報、注意すべき情報はそこじゃないのか?

 平気で『霊感商法、詐欺』とか普通に間違った情報を信じている人が多いのに、不安を煽るような報道をして『自民党許すまじ』みたいな報道が繰り返されている事に危機を覚える。

 私だって今回の自民党は許せない。

 だが、最も大事な我々の生活を揺るがす部分はそこじゃないだろう?

 『自民憎し』で話の根幹に触れない気なのか?

 


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