目の前で流れ出す、赤い赤い液体。
倒れ伏す、大切な存在。
……ああ、また、守れなかった。
手をのばすと触れるその身体に。血の海に沈む仲間たちに。
心が悲鳴を上げる。
――ああ、どうして。
どうしていつも……こうなってしまうのだろう?
「ソ……カル……」
あのときも、いまも、オレは……。
誰も救えなかった。誰も救えなかった。誰も救えなかった。誰も、誰も、何も、何も何も何も何も……――
胸を刺すのは後悔と絶望。いつだってオレは、何も守れず誰も救えず……そして、大切な存在を傷つけてばかりだった。
……そう、大切なものはいつだって。
――この手のひらから零れ落ちていくんだ。
Past.×× Fin.
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