――小学校に入学して数日、俺の日常はいつも通りだった。朝起きて支度をし、学校に行く。学校に来たら机に向かい勉強をし、休み時間は本を読む。そして、学校が終われば家に帰る。たったそれだけの日常。唯一、他人との違いをあげるとしたら……。
『俺の周りは、誰もいない』
実際に人がいないわけではない、俺の周りだけ人がいないのだ。理由なんて分かっている。
『俺のランクがGだから』
――――あ、そういえば1人だけ俺に話しかけてくる奴がいた。
「ねえ、君は1人で寂しくないの?」
「寂しくないよ、別に……」
俺に話しかけているのは『花嶺霞』彼女のランクはAなんだけど……。なぜか俺に話しかけてくるが、正直に言うと迷惑である。
「えー、絶対噓だよ。1人は寂しいもん」
「うるさいな、俺に話しかけないでくれるかな」
俺がそう言うと、彼女は教室のドアまで歩いてこっちを見た。
「嫌だ、また明日も話しかけるから!」
そう言い残して彼女は、教室を去った。
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