エフォート・バリュー ~断罪世界~

抹茶
抹茶

4話 変化。

公開日時: 2021年2月24日(水) 03:21
更新日時: 2021年3月2日(火) 10:34
文字数:431

――あれから毎日毎日、俺のところに彼女はやって来る。どうしてそんなに俺のことを……。


「それはね……。君のランクがGじゃないからだよ」


「――え?てか、俺の心の声聞こえんの?」


「まあね、それが私の特殊能力だからね……」


 初めて彼女と会話をした。彼女の話によるとこの世界には稀に、人間離れした特殊能力を持って生まれてくる人がいるらしい。そして、彼女の特殊能力は人の心の声を聞くものだった。それも、自分でコントロールできるそうだ。


「――なるほど、だからAランクなんだな……」


「そう言う君も、特殊能力者だよね?」


「………………」


 敢えて俺は、何も答えなかった。きっと彼女は俺の特殊能力を知っているはずだから。俺の特殊能力とは……。


  『少し先の未来を見る能力』


 しかしこの特殊能力は、まだ子供だから俺には使えない。だから価値数字も0でランクがGなんだ。


「――違うならいいんだけど。まあ、もし君が特殊能力者なら私は歓迎するよ。――橘瑞人君」


 俺は彼女、花嶺霞の言葉に何か違和感を感じた。

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