――――あれから数年が経ち、俺は高校生になった。
「まあ、高校生になったし流石に特殊能力使えるよな……」
実は今まで能力を使うことができなかった俺、橘瑞人は昔も今も変わらずGランクだった。
「昔から何も変わらないな、俺は……」
「――お久しぶりですね、橘君」
後ろから声が聞こえ、俺は振り返った。そしてそこに立っていた人物に俺は驚いていた。
「お前は、花嶺霞だな……」
「はい、君を迎えに来ました」
「は?迎えに来たって……」
「あの時私は言いましたよ、歓迎するって」
――そして俺は、彼女に連れられてある場所へとやってきた。その場所とは……。
「こ、ここは……」
「君も知っているでしょう?ここは日本中から価値数字の高い人を集めている機関、その名も――A級機関エフォート日本支部」
A級機関エフォートとは、世界から戦争を無くす為に価値数字の高い人、つまり何かしらの能力が高い人を集めて様々な競技で戦わせる機関。その中でも秘密裏に行われている競技が――――
「特殊能力者による戦闘……」
「あら、驚きました。まさか君が知っているなんて……。いえ、そういえば君も特殊能力者でしたね」
「俺はこの機関には入らない」
「いえ、君は入りますよ。絶対に」
彼女はそう言って、カバンから紙を取り出し俺に差し出した。
「こ、これは!」
そこに書かれていたのは――――数年前、俺の前から姿を消した姉さん、橘楓の情報だった。
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