――――ここはどこだ?俺は誰だ?何も見えない、聞こえない、感じない。俺は生きているのか?
「――――おめでとうございます。元気な男の子ですよ」
「――――希美、よく頑張ったな」
――――光が見える、声が聞こえる、温かさを感じる。そうか、俺は今生まれたんだ……。
◆
「――――瑞人、今日からお前も小学生だな」
俺の名前は『橘瑞人』
「うん、そうだね……」
「ん?どうしたんだ?なんかテンション低いな」
「だって、俺の価値が決まるんだもん」
人の価値は小学校に入る時に数字化され、数字化とともにランク付けもされる。
「なんだよ、そんなことを気にしているのか?」
「そんなことって……」
「大丈夫だ瑞人、俺と希美の子供なんだから問題ない!」
「あははは!なんだそれ!」
俺は父さんのあまりの面白さに笑ってしまった。この後の起こる出来事も知らずに……。
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