――俺は見てしまった、花嶺霞の本性を……。
「――キャハハハハハハハハハハハハハハハ!」
「お前って、そんな顔するんだな」
俺が見た彼女の顔は、とても醜く狂気的だった。
「――ええ、もう隠す必要なんてないと思いましたので……。それに、笑いをこらえるのは無理でしたから」
「そうか、それならよかった」
「それはどういうことですか?」
そう言っている彼女の顔からは、笑顔が消えていない。
「お前がそういう性格なら俺は、容赦なく戦える……」
「あら、私と戦うんですか?」
彼女は余裕なのか、未だに笑顔のままだった。
「ああ、お前らを倒して俺は姉さんの手掛かりを手に入れる」
「なるほど、そういえばそうでした。君がこの学園に入学した理由はお姉さんを捜すためでしたね。まあ、私を倒せたとしてもこの学園1位には勝てませんよ」
学園1位と言った瞬間、彼女は先程までの余裕が消え、酷く怯えたような顔をしていた。
「なんだ、お前が1位じゃないのか?」
「え、ええ、私は学園3位ですから1位ではありません……」
「なるほど。それじゃあ1位と2位ってどんな奴なんだ?」
「学園2位は鷺沼一、特殊能力は凍結。そして学園1位、凛堂かるた。凛堂さんの特殊能力は────最強。あの人だけは別次元の存在ですよ……」
──そして俺は、彼女からもらったディスクを見た。最初聞いた時はよくわからなかったが、凛堂かるたの戦っている映像を見た瞬間、俺は理解した。――――彼女の特殊能力は、本物だ。
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