私は、ずっと異世界にいた。
私は、魔獣にずっと、恋をしていた。
その魔獣は、狼の姿をしていた。　
　魔獣の化身は、茶褐色のサラサラした髪をたなびかせ、空色の瞳で、浅黒い肌で精悍な顔をしていた。
　私は、その化身と、ずっと戦っていた。
なぜなら、私は、この世界を守る女勇者であったから。
　
　私は、様々な敵と今までこの剣で戦ってきた。
私は、この世界を守るため、敵に負けるわけには、いかなかった。
　私が負けて、命だけ助かって帰ってもこの世界の支配者に、処刑される、私は、そんな宿命を背負っていた。
　私は、狼の姿をした魔獣の化身に殺されるまでは、その他の魔獣に負けるわけには、絶対にいかなかった。
　それを、この異世界の支配者は、私が、とても従順で強い勇者だと勘違いしていた愚か者だ。
　私の本当の目的も知らずに、私のことを褒め称え、勲章まで授与された。
　私は、内心、愚かな異世界の支配者を鼻で笑っていた。
　
　私は、狼の姿をした魔獣の化身との最後の戦いの前の魔獣との戦いで、瀕死の状態となった。
　このままでは、異世界の支配者に処刑されてしまう。
　それでは、恋をしている魔獣に殺されるという目的を完遂できない。
　
　私は、行動に出た。
異世界の愚かな支配者に負けたお詫びに、狼の姿をした魔獣の化身と戦うと嘘をついて、許しをこうた。
　私は、まんまと騙した。

私は、命からがら私の恋している魔獣の元に向かった。
　
　魔獣の化身は、瀕死の私を容赦なく、魔剣で切り裂いた。
　私は、化身から、狼のような姿になった魔獣に丸飲みされた。
　
　そして、今、私は、私の恋した魔獣の胃の中にいる。
こうして、私の思い通りになった。
　ほら、私の手が溶け始めた。
　私は、このまま、好きな人の中で意識を無くし、死ぬであろう。
　
　こんな幸せなことはない。
　
　私は、今、好きな人に溶かされる

私は、今、好きな人に溶かされる 好きな人の中にいれて幸せ

私は、今、好きな人に溶かされる好きな人の中にいれて幸せ