加藤千恵子やその仲間たちが逮捕されてから一週間が経ったころ。普段通りの生活を取り戻していた僕のもとに、警察から衝撃的な連絡があった。
その内容は加藤千恵子が死亡したというものだった。死因は心不全。解剖によると、どうやら彼女は末期のすい臓がんを患っていて、この事件は犯人を見つけ出す最後の賭けのようなものだったらしい。
それと、加藤千恵子生前の供述から少しずつだがこの事件の全貌が見えてきた。
「それでよう。どうやら加藤千恵子は、自分から復讐しようと立ち上がったわけではないみたいなんだよ。」
「誰かが加藤の復讐の段取りなんかに手を貸したってことね。」
まるで自分の実家にいるかのようにして河野刑事は僕の部屋にいた。しかも僕の作った鍋を食べている。今日は波多野刑事というおまけつきだった。
「一体それは誰だったんですか?」
僕はもうあきらめてこの二人をそこそこ受け入れることにした。
「加藤自身もそいつについては詳しくは知らないようだったが、復讐アシスタントとかいうふざけた肩書を持ってる男だそうだ。」
「名前は苗字しかわかってないんだよ。相澤って言ったかな。」
「まあ、その名前も偽名かもしれないけどな。」
「そんなことが仕事になるなんて全く物騒な世の中ですねえ。」
僕は、二人の中年おじさんとともに鍋を囲んでいる。結構重たい話をしている。
こんなことが、僕のこれからの人生を大きく変えてしまうだなんてことを、この時の僕は知る由も、考え付いてすらいなかった。
ただ一つ、放置されるというさみしさを覚えて。
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