連載中 長編 現代世界 / 恋愛

虹の焦がれた黒と青

公開日時:2021年10月6日(水) 17:00更新日時:2021年10月18日(月) 17:00
話数:13文字数:63,751
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あらすじ

 バイセクシャルの松本里菜(まつもとりな)は、日昇(にっしょう)生命保険の調査部門、関東総合調査室(総調)で働く入社二年目の社員であり、六歳年上の主任である上山優希(かみやまゆうき)に恋をしていた。

 優希の二十代最後のイベントとして彼女を婚活パーティーに連れ出した里菜は、優希の幸せを願う心と優希への恋心との間で葛藤し、片想いの幼馴染、佐伯健人(さえきけんと)に付いてパーティーに来ていたゲイの男、加藤文也(かとうふみや)の思惑に乗ってしまう。その思惑とは、互いの想い人にそれぞれ近づきマッチングすることで、他の異性とのマッチングを防ぐという、その場限りの共闘のはずだった。しかし話の成り行きにより、二組のカップルはその後デートをすることになる。里菜と加藤は新たに、優希と佐伯を異性嫌いにするためのデート作戦を企てるが……。

 一方で、里菜と優希の所属する総調に、上層部からとある調査案件が舞い込む。それは、二年前に亡くなった、かつての総調メンバー、松本奈々(まつもとなな)の死因を調査するというものだった。奈々は自社保険に加入していたため、死因の調査は、保険金の支払要件に大きく関わっていた。

 だがその調査依頼は、二年前に千葉県警が出した〝事故〟という死因を覆さないよう、上層部から暗に求められた、形式的なものだった。奈々の〝自殺〟に確信を持っていた総調の面々は、二年前に成し得なかった真実の解明を決断したが、それはつまり上層部に反逆し、国家権力である千葉県警に物申すという、日昇生命保険の存亡を揺るがしかねない危うい選択だった。