「がっ、はっ……!」
背中から胸を穿つ鈍色を見る。
「はい! じゃあ、抜きますにゃ?」
「がっ!」
いきなり得物を抜かれ、血が逆流してきた。さらに胸からは大量の血液が噴き出す。
「わあー! いい感じにぶっしゃーしてますにゃあ!? タイリョウタイリョウ!」
まもなく膝を付き、前のめりに人形のごとく倒れる。
「あれ? もうオワリ? もっとパフォーマンスしてくれニャいのかにゃ?」
つまんにゃーい! とかすかな意識を保ったまま聞き取り、激しい眠気に任せて目を閉じた。
七緒は頭部を脚で踏み躙りながら、
「……終点だよお客さん。……いい夢見れたか? 人殺し〈クソ野郎〉」
憎々しげにそう言って、唾を吐いた。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!