面白くないラノベの見本

必ず一次選考落ちする作品
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閑話

公開日時: 2023年6月9日(金) 00:00
文字数:354

 本来、太陽と月は交わらないものである。

 日食・月食あれど、実際は他天体から見た光の遮りであり、ただ天体の移動軸が一直線に重なっているだけである。

 ――交わっているじゃないか。

 ……。

 交わっていた。

 すまない。私の考えがおかしかったようだ。起き抜けで頭が回っていないらしい。


 ……起き抜け? なぜ私は眠っていた……? 

 ……私? 私とは誰だ? 私とはなんだ……? 

 これはなに……? それはなに……? あれは…………。


 ああ。そうか。


 やはり私は間違っていなかった。

 今まで太陽と月は交わることはなかった。

 しかし今……。確かに両者は交わった。強く。大きく。

 今も確かに相対している。

 それこそが……。



 ――「私」が今ここにいる理由。




 そして……。




 ――「我々」が今ここにいる理由だ。




 ……そう。我々はいなくなったのではない。




 ――彼らの中に存在していたのだ。

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