昔の私だったら、なんて言うだろう。
そんなことを考えながら、記憶を思い返してた。
…多分、何も考えてなかったんじゃないかな。
将来のこととか、未来のこととか。
まあ、それどころじゃなかったんだよね。
飛ぶのをやめようと思ったのは、もう少し後のことだった。
まだこの頃は、踏ん切りがつかないままだった。
桜が散った頃に、少しずつ思い始めた。
違う自分になろう。
——そんなふうに。
部活が終わって、詩穂が着替え終わった後、私たちは一緒に駅に向かった。
ハルも一緒だった。
「みんなには話したのか?」
「話してない」
「え、なになに??」
「いやさ、サナが…」
「ストップ。その話はなしにしない?」
「なんでだよ」
「私がバカみたいでしょ?」
「なんだよ。自分が言い出したんだろ?」
「そうだけど…。やっぱなかったことにしたい」
「はぁ??」
「だからさ、ほら、話題変えない?もっと楽しい話でもしようよ」
「…やっぱ嘘じゃねーか。ちょっとは信じてやろうと思ってたのに」
…はいはい。
どうせ信じてないでしょ?
適当に受け流しながら、話題を逸らそうとした。
「2024年から来たんだってよ」
「2024年!!?」
詩穂とアカリが、同時に叫ぶ。
2人ともびっくりしすぎ。
あり得ないでしょ?
普通に考えて。
「教えてくれないんだよな。将来のこと」
「だから…」
「それに、喋る猫がさ」
「喋る猫ぉ!?」
はぁ…
言わなきゃ良かった。
話がややこしくなるって…
そりゃ、信じてくれるならいいんだけど
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