次の日から公式行事として地元商店街の歓迎式典や孤児院の慰問などを行う。
「あなた達、明日も朝早いんだから夜更かしとかしないようにね」
「「「 はい! 聖女様! 」」」
子供達に釘を刺しておいてからリビングに向かうと、
「聖女様、ちょっとよろしいでしょうか?」
「侯爵様、どうしました?」
「明日の行事に我が息子達を同行させて頂けないでしょうか?」
「あぁ、そんなことですか。構いませんよ」
「ありがとうございます!」
どうしても息子の誰かと次の聖女を縁付けたいみたいだね。まぁ、あの娘達も満更でも無さそうだしこのくらいはいいかな。
◇◇◇
「レイ様、お手をどうぞ」
「は、はい! ありがとうございます!」
「アミ様、お疲れではございませんか?」
「だ、大丈夫です! ありがとうございます!」
「マリー様、本当に可愛いですね~♪」
「はぅぅっ!? そ、そんなことないでふよ!?」
なんか一人だけチャラいのが居るな...マリー、大丈夫か?
「レイ様、どうぞ。美味しいですよ?」
「あ、取り分けて頂いてありがとうございます!」
「アミ様、ジュースにしますか? お水にしますか?」
「あ、お水でお願いします!」
「マリー様、はい、あ~ん♪」
「ふえぇぇっ!? 無理無理無理~! 恥ずか死ぬ~!」
これはさすがにやり過ぎだわ...
「あなた達、ちょっと来なさい」
私は三人息子の首根っこを引っ掴んで物陰に連れてった。
「正直に言いなさい。父親である侯爵様になんて言われてるの? 特にあなた!」
私はマリーに言い寄っていた息子の一人を指差す。
「...えっと...その...誰でもいいから一人落とせと...」
「ハァ...そんなことだと思ったわ...あまりにも露骨過ぎたし...あなた達、いくら父親に命じられたからとは言っても、将来の聖女に対して不敬に当たるかもとか少しも思わなかった訳? バチが当たっても知らないわよ?」
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」
三人息子は縮み上がってしまった。
「本当は明日まで居る予定だったけど、予定を変更して今すぐ帰ることにするわ。侯爵様にヨロシク伝えておいてね。聖女舐めんな! って」
三人息子はコクコクとただ頷いていた。
◇◇◇
「聖女様、予定を切り上げて本当によろしかったんですか?」
「いいのよ。どうも聖女って存在を勘違いしてるみたいだったから」
「そうなんですかね...」
「なあに? アミは残りたかったの? チヤホヤされたかった?」
「そ、そういう訳じゃありませんが...」
「どっちみち、マリーがこんな状態じゃ無理よ」
「キュウ~...」
まだ真っ赤になってるマリーにはちょっと刺激が強過ぎたね。
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