カルロはすぐ私の家にやって来てくれた。
「うん、僕の所にも来てたよ」
「やっぱりね...どうしようか?」
「リタが予想した通り、今回断ってもこっちが参加するまで何度でも誘って来るだろう。だから今回でケリを付けようと思う」
「大丈夫かしら...」
「明日、学園でみんなに相談してみよう。きっと協力してくれるよ」
「分かったわ。そうしましょう」
◇◇◇
翌日のお昼休み、早速みんなに相談した。
「なるほど...パートナー同伴とは考えましたね...」
ララが難しい顔で考え込む。当然の如くララに招待状は来ていない。もちろん三人娘も同様だ。
「あの、ちょっといいですか?」
招待状をじっと見ていたミラが手を上げた。
「どうしたの?」
「これってパートナー同伴と書いてあるけど、誰をパートナーにするかまでは書いてませんよね? だったら誰がパートナーでも構わないってことですよね?」
「それがどうかしたの?」
「こういう作戦は如何でしょうか?」
私達はミラの作戦とやらを聞いて...
「良いわねそれ! あなた冴えてるわ!」
ララが絶賛した。
「えへへ♪ それ程でも~♪」
ミラは得意気な顔してるが...
「あ、あの、ララ様!? 本当によろしいんですか!? ご迷惑なのでは!?」
「問題ありませんわ! 聖女様のお役に立てるなら望むところですもの!」
「は、はぁ...」
ララが乗り乗りならいいのかな...取り敢えず私達はミラの作戦を採用してみることにした。
さてどうなることやら...
◇◇◇
そしてユミ王女主宰の舞踏会当日、私達はそれぞれのパートナーを伴い会場入りした。
そう、それぞれなのだ。
「まぁまぁ! 王女様! 本日はお招き頂きましてありがとうございます!」
会場の入口でお出迎えしているユミ王女に、カルロを伴い挨拶したのはララである。ユミ王女の笑顔がヒクヒク痙攣している。やがて苦虫を噛み潰したような顔になった。
そして今日の私のパートナーはララの婚約者であるマルコ様である。つまりパートナーを入れ替えた訳だ。こうすればララに苦手意識を持っているユミ王女が、何か仕掛けようとしても牽制できるのではないか?
そういう作戦である。
「マルコ様、ご迷惑をお掛けしまして申し訳ございません...」
「気にしないで下さい。面白そうな作戦に参加できてワクワクしてるくらいなんですから」
そう言って貰えると救われた気持ちになる。ちなみに三人娘は侍女の格好に扮して私達の付き人として同行してたりする。
これでユミ王女の企みに対する対抗策は万全だと思う。
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