ヨハネと獣の探偵談!?

〜驚愕のベストエイト〜
上崎 司
上崎 司

3位vs5位

公開日時: 2020年9月15日(火) 12:06
更新日時: 2020年9月15日(火) 12:20
文字数:1,270

「駄目よヴァルカン! の感情に身を任せるなんて、あなたらしくもない!」


「止めるなパレット。無駄死にした宇利亜のためにも、奴を倒さねば気がまらん」


「………………カタキウチ、カ」


赤い鎧の騎士は、「浅いな」と付け加え、秘宝バトルに十分な距離を取った。


「………カイホウ、ヴォルカ・ラプトル」


「開宝、!」


ウェルダンは、いつものヴェロキラプトルの秘宝獣を繰り出した。


対するヴァルカンが繰り出したのは、海藻のような見た目の、タツノオトシゴの秘宝獣だ。


【Aランク秘宝獣ーヴォルカ・ラプトルー】


【Aランク秘宝獣ーリーフシードラゴンー】


「なんかもう、みんな事件のことなんてどうでもいいみたいだね……♪」


蚊帳の外のピエロは、一人しょぼくれていた。


「海龍、《バリアリーフ》だ!」


タツノオトシゴの秘宝獣は、障壁に覆われた。


「ウェルダン、この要塞を落とせるか」


「リーフシードラゴンのバリアリーフ……。一定以下の威力の技は、全部無効にされちゃうっていう技だったわね」


ヴェロキラプトルの秘宝獣は炎の鉤爪で攻撃するが、全て障壁に阻まれる。


「全然効いてない!?」


「あの見てくれで水属性の秘宝獣だからよ。相性はヴァルカンに利があるわ」


「………………《ヒートアップ》ダ」


ついにウェルダンが、秘宝獣に指示を出した。ヴェロキラプトルの秘宝獣は、更に激しく燃え上がる。


「海龍、《プロテクト》!」


タツノオトシゴの秘宝獣も負けじと、防御を厚くする。ヴァルカン得意の戦法だ。


「せっかく攻撃力を上げても、防御力を上げてくる。手強い戦法だね……」


「本当、厄介なのよ……」


乃呑のボヤキで、パレットはヴァルカンとの戦いを思い出し、憂鬱な気分になっていた。


「そろそろだな。海龍、《》!」


タツノオトシゴの秘宝獣は、口から海流を吐き出した。時間が経過しているほど威力が上がる、必殺技だ。


「………………《ウェルダン》ダ」


ヴェロキラプトルの秘宝獣は、高熱の息を吐き出した。踏みとどまってバリアを突き破りダメージを与えるが、海流に流されてしまった。


「このバリアを突破するとはな。だが、海龍、連続で《バリアリーフ》だ」


新しくできた二重の結界が、タツノオトシゴの秘宝獣を包み込んだ。


「《グレイトバリアリーフ》!!」


とっておきの技を披露したヴァルカンだったが、ウェルダンは全く動じなかった。


「………………マダ、キヅイテナイノカ」


「何だと……?」


不穏な気配がした。ヴェロキラプトルの秘宝獣は、大きく息を吸い込んでいた。


「………………《ベリーウェルダン》」


ヴェロキラプトルの秘宝獣は、口から大熱波を吐き出した。グレイトバリアリーフを貫通し、炎がタツノオトシゴの秘宝獣を包み込んだ。


「海龍……!? 何故、これほどまでの威力が……」


「…………簡単な話だ。《ウェルダン》には、相手の防御力を下げる追加効果があった。そして《ベリーウェルダン》は、相手の防御力を下げてからダメージを与える……」


赤い鎧の騎士は、兜を脱ぎながら言った。


ウェルダンの真の姿は、RPGに登場する魔王のような風貌の、赤髪の青年だった。


「………………俺の勝ちだな」

役職説明:【霊能者】

祈りによって特殊なモノが視える霊能者。毎夜、その日に処刑された人と突然死した人が「人狼」か「人狼でない」か知ることができる。基本的には受動的な行動になりがちだが、占い師の真偽を判定したり、残りの人狼の数を把握したりと、重要な役割でもある。

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