ヨハネと獣の探偵談!?

〜驚愕のベストエイト〜
上崎 司
上崎 司

2位vs5位

公開日時: 2020年9月13日(日) 12:06
文字数:1,265

「失礼ですが、、もう帰ってもいいかしら? 仕事柄、暇じゃありませんの」


「駄目です。団長……いえ、彩華さんはまだ、白だと確定していないので」


紅葉は彩華を引き留めようとした。彩華は相当不機嫌な顔をしていた。


「白だと証明すればいいんですわよね? でしたら誰か、と秘宝バトルしませんこと?」


「彩華さん……!」


「秘宝バトルには、秘宝遣いの全てが表れるのではなくって?」


彩華は秘宝大会二位の実力者。秘宝バトルの強さには自信があった。


「……………………オレガ、ヤル」


すると、ウェルダンが重い口を開いた。


「せっかく白で確定したのに!?」


「お兄ちゃん!?」


パレットとマナは、驚きの言葉を口にした。赤い鎧の騎士が、彩華の前に立ち塞がった。


「悪いですが、邪魔をするなら倒して行きますわよ?」


「……………………」


彩華とウェルダンは、それぞれ金色の秘宝を取り出し、バトルをするための距離を取った。


「開宝、シラハドリ!」


「………カイホウ、ヴォルカ・ラプトル」


【Aランク秘宝獣ーー】


【Aランク秘宝獣ーヴォルカ・ラプトルー】


「の秘宝獣だー!」


シラハドリと呼ばれる秘宝獣に、マナが指をさして言った。


「彩華さんの秘宝獣は氷属性です。火属性のヴォルカラプトルには不利ですよ……」


「紅葉、心配は無用ですわ。シラハドリ、《凍てつく霊気》!」


黄泉の霊気が、室内の温度を急激に下げた。


「そっか、恐竜は寒さに弱いものね!」


「パレットさん。諸説ありますが、恐竜が滅んだのは氷河期のせいではありませんよ」


「えっ、そうなの?」


「寒さに弱い種類もいたかもしれませんが、ヴェロキラプトルは羽毛恐竜のため、寒さに対応できる種類でした。現にほら、余り効いているようには見えません」


ヴェロキラプトルの秘宝獣は、体を動かすことでウォームアップをしていた。近づきながらステップを刻んで、攻撃に移った。


「来ましたわね……。シラハドリ、《カウンター》!」


鋭い鉤爪で切り裂いてきたヴェロキラプトルの秘宝獣を、白鳥の秘宝獣は凍りつかせた。


だが束の間に、炎を纏ったヴェロキラプトルの秘宝獣が、氷を砕いて現れた。だが……、


「だいぶれてきましたわね」


氷を溶かしたことにより、羽毛が水分を吸収し、ヴェロキラプトルの秘宝獣の動きが鈍くなっていた。


「トドメを……! シラハドリ、《アブソリュート・ゼロ》!」


凄まじい冷気が、室内に吹きすさぶ。ヴェロキラプトルの秘宝獣は、カチンコチンに凍りついた。


「勝負ありましたわね。では、はこれで……」


「………ウォームアップハ、オワリカ?」


「なっ……!?」


いつの間にか、凍りついたはずのヴェロキラプトルの秘宝獣が、氷の中にいなかった。炎で体表の氷を溶かし、地中に潜って反撃の機会を伺っていたのだ。


スティーブン・スピルバーグ監督の『ジェラシックパーク』でも知られるように、ヴェロキラプトルはとても知能が高い生き物なのだ。


「シラハドリ、回避して!」


少し気づくのが遅かった。白鳥の秘宝獣は、炎の鉤爪で切り裂かれ、白い球体となって金色の秘宝の中へと戻っていった。


「……………………オレノ、カチダナ」

役職説明:【狂人】

人狼に味方する危険な人間。ただし、誰が人狼か知らない。人狼の勝利が自らの勝利となるので、基本的には屋敷を混乱させる行動をとる。例えば、他の役職(主に占い師など)を騙ったり、間違った推理でミスリードしたり、人狼の代わりに処刑されるように疑われたり、人狼の勝利のために積極的に動くポジションである。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート