いつからだろうか。
雨が降らなくなったのは。
街の上に広がる空。
穏やかな波の流れと、海。
真っ青なその群青の向こう。
そのずっと先に、——今日も、同じ航路を辿っていく飛行雲が見える。
歩道の上に立つ街路樹が、さやさやと靡く。
交差点の上にすれ違う人々と、パッパーというクラクション。
ビルは曲線を描いたように高く反り上がり、整列する何枚ものガラスの向こうに、ゆらゆらと雲が漂っていた。
平和だ。
それ以外に言葉がいらないほど、何もかもが静かに通り過ぎていた。
今日は何曜日だっけ?
いつからか、そう思うようになってしまった。
自分が今どこにいて、何をしてるのか。
それさえも、わからなくなるほど。
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