家族や民、愛するものの一切合切――自分の命以外のあらゆるものを人間達の侵攻によって奪われたエルザ姫が、《復讐を司るモノ》から命を糧に担い手の復讐を燃やす喋る剣を与えられて、復讐を誓うダークファンタジー。
最初は、幼い少女らしい"甘さや情け"が見え隠れしますが、そんな少女がその手を殺しに染めることで復讐に堕ちていく過程が丁寧に描かれており、もはや復讐しか残されていないエルザの変化に背筋かゾクゾクとさせられます。
現段階では決して、最初からスカッと無双だとか、ザマァだとかそういうのはではありません。
どこにでもいるような、少女らしい少女が復讐に堕ちる――地獄の窯をぐらぐらと煮詰め続けるような、そんな本当の『復讐譚』です。
これからのエルザの変化や、そのおぞましい力に反して使用者を気遣う剣は一体何なのか。これからが非常に楽しみな作品です。