第1章【白なんてつまらない】
時は、現代よりも遥か先。
国という境界は無くなり、人々は、『レインボー』と呼ばれる決められた枠の中で生活していた。
決められた世界で決められた生活を決められた時間だけ過ごして一生を終える。
それがこのレインボーの中での絶対的な規則であった。
しかし、人々はそれを受け入れ、それが当たり前かのようにして生きている。
この物語の主人公、イレーネもそのような人々の一人だ。
だが、ある日の雨の日。
イレーネが図書館で本を読んでいるとミアと名乗る少女と出会い、今の生活に疑問を抱き始める。
そして、そこから真っ白な世界は少しずつ色がつき始めるのだ。