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大阪府、難波。
関西地区を中心に、西日本を牛耳っていると言われる不良集団、レッドキャップス、
“赤い死神”と恐れられていたこの集団は、初代総長・赤神紫苑(あかがみしおん)によって創設され、数年もの間に西日本全土へと勢力を伸ばしてきた。
赤神紫苑の父親は日本全国でも有名な暴力団、“大川組“の若頭であり、次期組長候補の筆頭だった。
しかし、東京に拠点を構える”関東連合“との抗争の最中、大川組への謀反を企て、大川組長の殺害を機に、組織の壊滅へと動いていく。
大川組は抗争に敗れた後、関東連合へと吸収され、日本最大の暴力団組織へと成長していった。
紫苑は、幼い頃から父親のことを憎んでいた。
大川組への裏切りの報復として母親と姉を殺され、紫苑自身にも“復讐”の刃が向けられようとしていた。
かつて父親の相棒と呼ばれ、“天下を取りに行こう”と約束していた若頭補佐、藤沢晃大に命を助けられたあと、紫苑は父親へ会いにいくことを決意する。
家族を見捨て、自らの野望のために突き進んでいく父親を探し出し、なぜ、大川組を裏切ったのかを問いただす——
そうして、社会に不満を持つ若者たちを集め、“レッド・キャップス”を立ち上げたのだった。
当時大阪の中央区、浪速区を取り仕切っていた「黒唯皇帝(ブラックエンペラー)」を、壊滅に追い込んだのち。
不良生活とは無縁の穏やかな生活を送っていた滝川茜(たきがわあかね)は、小学生の頃に片思いをしていたある“幼馴染”への想いを、未だ忘れられずにいた。
幼馴染の名前は黄瀬綾人(きせなあやと)といった。
彼は両親の都合で大阪へと引っ越しており、それ以来、茜とは連絡を取っていなかった。
当時、2人は両想いだった。
しかし青森に住んでいた茜にとって、大阪という街はあまりにも遠く、——離れていた。
彼のことは忘れよう。
中学に入学したのち、文通でしか連絡を取り合えなかった綾人のことを、いつしかそう思い始めていた。
彼女の身に起きた、ある“事件“が起きるまでは。
ひょんなことから綾人に転生した彼女は、彼の体に入り、波瀾万丈の生活を送ることになる。
最初に目が覚めた場所はベットの上だった。
ズボンを脱がされ、下半身が露出している。
馬乗りになっている“赤神紫苑“が、彼の貞操を奪おうとしていた瞬間だった!?