…ん、んん〜
長いこと夢を見ていた気がした。
頭の中がぼんやりする。
さっきまで、教室の中にいた。
6限目の授業が終わって、みんなと話し合ってた。
空にかかった夕陽が窓際のカーテンのそばにちらついて、グラウンドの上に泳ぐ木漏れ日が、——少しずつ濃くなっていき。
…今、何時だっけ?
体がスースーする。
ってか、暑い…?
爆音で響く心臓が、耳の奥から聞こえてきた。
今にも破裂しそうな勢いでバクバク音を立てている。
加速して行く時間と、街に響くサイレンの音と——
「じっとしてろよ」
…じっと…してろ…?
聞きなれない声が、さっと耳のそばを掠めた。
艶のある銀色の髪と、耳に開いたピアス。
透き通った白い肌が、胸の上についたホクロのそばに見えた。
お、…大きい
状況が呑み込めなかった。
夢を見ているにしても、シチュエーションが謎すぎた。
ふかふかのベットのクッションと、汗ばんだシーツ。
コンクリートでできた天井が、木でできたシーリングファンの上に広がっていた。
体の上に覆い被さっていた。
彫刻で彫ったような美しい女性が。
スタイル抜群の、——「裸」が。
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