1章:死後の不在証明
2章: リンドウの花に、口づけを
「私の経験上『死』に近付いた者ほど死に魅入られていく。近づくきっかけは人によって様々で、自殺を考えた事があったり、身近な人が死んだり、他人を殺したり。」
ーーー貴方がどんな近づき方をしたのか、私は知っている。
ある事をきっかけにサイコメトリーの能力に目覚めた高校生の蓮見レイは、死者の遺品からその所持者の生前の記憶を覗き見する、という特殊な趣味を持っていた。ある日、自らが通う桜木高校でとある女子生徒が屋上から飛び降りる事件が発生。レイはその女子生徒の記憶を覗き見ようと、彼女が生前座っていた席に触れるため放課後の誰もいない教室に忍び入る。ところが、後ろから見知らぬ妖しい雰囲気を纏った女子生徒、神永に声をかけられ・・・