俺の名前は秋野 樹。ごく普通の高校生だ。近くのコンビニでアルバイトとしていて、高校もギリギリ入ったから点数が危ない。
俺の親は2人とも居なくて、20歳の姉が時々様子を見にくる程度だった。
そんな俺にも癒しがあって、東方Projectの魔法使い、霧雨魔理沙が最推しだった。
俺には彼女が居ないため、どれだけ推していても誰にも文句は言われなかった。孤独だとか寂しいとか思うやつも居るかもだが、俺はその方が気楽だった
ある日の学校帰り。俺は帰宅部な為、今日はアルバイトも休み。昼寝日和だ。
「はー、今日は何も無い!帰って昼寝して、夜ご飯は…カップラーメンでいいか…、コンビニ寄って買っとくか。」
コンビニ
「えーと、ラーメンラーメン…」
「だから、私は盗んでないての!!」
「お金払わなかったら盗んでるのよ。分かる?お嬢ちゃん。」
(ん……?万引き犯か。俺は関わりたくないし、さっさと帰ろっと、)
「あった、金ちゃんヌードル。」
俺はカップラーメンでもこれが1番好きだった。これなら毎日食べれる
「あ…、アルフォート買って帰るか。」
「わかんないって!」
「まだやってんのか……うるさいし注意しに行くか…」
「やってないって何回言ったら分かるんだよ!しつこいぜ!?」
「あ、あの…他の人に迷わ……!??」
「ん……?おい!助けてくれよ!私盗んでないのにさー」
(なんでこんなとこに東方Projectの魔理沙が??おかしいおかしい、、俺は夢でも見てるのか?……とりあえず、助けるか……)
「あ、その、その子の分俺が払うので、今回は許してあげてもらえませんか?よく言っておくので、」
「良いけど、この子出禁ね」
「あ、はい、」
「へへ、ありがとな!」
「出禁で喜ぶなよ、君名前は?」
「よく聞いてくれた!私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いさんだ!」
「ええ??げ、幻想郷に住んでる??」
「そうそう」
「マスパ使う?」
「うんうん」
「魔法の森住み??」
「そうそう!」
「がちかよ……」
「まぁ、君も悪気は無かったんだし……、今日は家に帰りなよ……お、俺は行くからね」
「ん……」
魔理沙と名乗る少女は俺の服を掴んで何か言いたげな表情で俺を見る
「な、なんすか?」
「あ…、私、住む所なくって……、なんだ、その……」
「無いの?君……」
「魔理沙ってよんでくれよ」
「じゃあ、魔理沙?俺の家来ていいから、服掴むの辞めてもらっていいかな」
「わ、わかったぜ、なんか悪いな……」
「あ、散らかってるけど、遠慮なく座っててな」
「ん……?これ、」
「ああ!!それは!!」
「ふーん……」
魔理沙は俺のレポートを勝手に見て読み始めて
「なあ、ここ、こう書いた方が絶対いいぜ」
「あ、確かに……」
魔理沙はレポートをした事無いはずなのに、何故か色々教えてくれた。
「なんで魔理沙は詳しいの?」
「あー…、魔法の研究してる時にさ、そういうの書くんだ」
流石は魔理沙と言った所だった。この魔理沙は本物の魔理沙だと思うと俺は緊張してたまらなかった
「あ、ラーメン食べる?君が盗もうとしてたやつ」
「あれは!盗んでないんだ!少し借りようとしただけで……」
「はいはい……」
やっぱ魔理沙だ。そう確信した俺はカップラーメンにお湯を注ぎながら魔理沙に質問してみる事にした
「なんでこの世界に来たの?」
「それは、紫が……」
「八雲紫?」
「そうだ!」
「なるほどね……、帰れるの?」
「それは、分からないからここに来たんだろ?」
「それもそっか……、うーん……魔理沙これ着てくれ、ほぼ新品だから」
俺が魔理沙に渡したのは出て行った姉のパジャマだった。2回程度しか使ってないから別に大丈夫だろうと思った
「お、おう!私、お風呂入って来るぜ!ラーメン、先に食べててもいいからな!」
「人の家ってわかって言ってるのか魔理沙……」
魔理沙は遠慮する事なくお風呂に行ってしまう。俺にも彼女の経験はあった。
今は付き合っていないが、その時の事を少し思い出してしまう
「さて……、魔理沙の分の布団用意しないとな……」
俺は客用の布団を出して広げながら考える。このまま魔理沙が帰れなかったら、魔理沙は俺の家でずっと過ごすのかと。
俺からしたら好都合だったが、魔理沙はどうなのだろうかと考えていた
「よー!お風呂入って来たぜ!お風呂入って来たのはいいんだけど、この服なんだよ、」
猫耳フードのパジャマ。姉はそういうのが好きだったから、そういうのしか無かった
「仕方ないだろ、それくらいしかないし。可愛いよ」
「ふぁ!?お前……今なんて!!」
「何も?」
俺は無意識に言っていたため、そんなの記憶に無かった。
「ま、まぁ……、ほら!食べようぜ!」
「ああ!俺の分まで取るな!」
「ふぅ……美味かった」
「なあ、お掃除してやろうか?」
「ああ、いいよ。結局汚すし」
「へへ、なんか似てるな……」
「魔理沙も掃除出来なかったんだっけ、なんでできないのにやろうか?なんて言うんだよ」
「いやぁ、なんか」
「まあいいや、俺明日も学校だから早く寝ないとなんだ。ごめん、おやすみ魔理沙」
「おう!おやすみ!」
魔理沙におやすみと言って返されるなんて思っても無かった俺は内心嬉しかった。
こんな浮かれた気持ちで学校言ったら絶対先生に怒られるよな……
次の日
「ふわぁ……っ、魔理沙……?」
俺が目を覚ますと魔理沙は同じ部屋にいなかった。夢だったのかと俺は思ったが、次にキッチンからいい匂いがするのに築いた
「あ!おはようさん!」
「やっぱり魔理沙か……」
「ん?いや、学校って何かは分からないけど、きっと大変なんだろ?寺子屋みたいな!」
「んー、多分魔理沙の世界なら寺子屋であってる」
「久しぶりだなぁ、自分家で人のご飯食べるの」
「ほら!美味いぜ!頑張って作ったんだ」
「んー、美味い!ありがとう魔理沙」
「えへへ、昨日のお礼だよ……」
「魔理沙、夕方くらいまでずっと独りだけど大丈夫?」
「大丈夫。帰える方法探したり、掃除したりして待ってるぜ」
「それ、帰ったら誰もいませんになるよ?」
「あ、そっか。じゃあ…私もその学校とやら行く!」
「何言ってんだよ、色々大変だぞ?」
「1人は寂しいからな……」
魔理沙の寂しげな顔に俺はキツく言うことは出来ず、つい許してしまった
「まぁ、屋上居るくらいならいいよ、見つからない程度に学校探検とか……」
「よっしゃ!お昼は私が持ってくるから、大丈夫だからな!」
「まぁ、お昼は助かるかも。絶対先生にはバレずに居るんだぞ?」
「わかってるって!」
「でもその格好は辞めてくれる?」
「ええ、可愛いだろ?魔法使いみたいで」
「魔理沙は何着ても可愛いからこれ着てくれる?」
「えっ……、今私に可愛いって……」
「ん?時間ないから、ごめんねこれ着て」
「あ、うん…」
魔理沙が照れてるのを見て俺はよく分からないまま学校の支度をする。
魔理沙を連れていかないと行けないから大変だった
「なあ、これが制服?って奴なのか?」
「うん、姉ちゃんのが残っててよかった……」
「ふふ、じゃあ、行こうぜ!はーやーくー!!」
「焦るなって……」
「お、おはよー樹」
「あ、おはよう!」
こいつは俺の友達の陸斗。友達のいない俺の唯一の友達
「昨日の宿題大変だったくね?」
「しゅくだい……?」
「もしかしてやってない?」
しまった魔理沙の事で宿題なんて忘れてた!!!
「あ……まあ、授業までに間に合えば……」
「頑張れよ……」
「ああ、宿題か?私が代わりにやっといてあげたぜ! 」
「魔理沙出てくんなーっ(小声)」
「ええ、だって私も話したい!!」
「んーと、その子は彼女?」
「あ……と、」
「霧雨魔理沙!普通の魔法使い!彼女ってなんだ?魔法の名前か?」
「霧雨魔理沙?ちょどゆこと?」
「えーと……信じられないかもだけど……」
俺はイヤイヤいままでの経緯を話した。魔理沙と出会ったこと、魔法使いなこと、全て
「ええ!?じゃあ、彼女さんじゃないの?」
「うん、彼女だったら幸せもんだよ……」
「むー!だから、彼女ってなんなんだよー!」
頬を膨らませて怒る魔理沙。陸斗は可愛いと思ってるんだなーと思う俺。
「彼女って言うのはんー、この人の物になるって事」
「ふぁ!?な、なるもんか!」
「あ振られた」
「おつーw」
「てか、学校いいのか?」
『しまった』
陸斗と俺は遅刻ギリギリになって走る
(授業退屈だなぁ……、そうだ、魔理沙の事考えとくか。)
「あーっ!わ、私は割ってないぜー!!」
「こらー!花瓶割ったのあんたでしょ!校則違反だし!!その髪の毛どうにかしなさーい!」
「……魔理沙だったり、、、ああの先生少しトイレに……」
「あ、はい。いいですよ」
「魔理沙……」
「あはは……」
「大人しくしとけって言っただろ!!」
「ほら、大人しくしとくから……」
「待ったく……」
こんな学校久しぶりだった。魔理沙が来てくれてると思ったら俺は自然と頑張れた
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