奇跡のネコ

みゆたろ
みゆたろ

始まり

公開日時: 2021年10月9日(土) 02:38
文字数:293

私、中野愛夏。17歳。


小柄で運動音痴。人よりも猫が大好きな高校生。顔は並みより少し下で、他人と関わるのが大っ嫌い。所謂コミュ障である。


人付き合いが下手な事も、嫌でも人と関わらなきゃいけない場面もある事を、少なからず私は理解しているはずだ。

でも、心と体は別物で、どうしても自ら歩み寄る事が出来ない。


こんな風になってしまったのは、そう、あの時からだ。


大好きだったお婆ちゃんの最後を看取ったあの時から、私の心は壊れていった。


「ーーあり...が...とう」


それが祖母の最後の言葉だ。


人には生まれた時から、死の存在がある事をこの時の私はまだ理解していなかった。祖母の死が、私にそれを教えてくれた。

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